音声認識を使った発音のセルフチェックは有効か?
音声認識を使った発音確認はどれくらい有効?
中国語を学び始めたころ、自分の発音の正確さをセルフチェックする手段として、iphoneのsiriのような音声認識を中国語に設定して話しかけ、ちゃんと認識させるかどうかやってみる人は多いと思います。
ただ、音声認識の精度には100%の信頼を置くことはまだ難しいと思います。
先日、興味深い記事を見つけましたのでご紹介したいと思います。
https://www.hackingchinese.com/using-speech-recognition-to-improve-chinese-pronunciation-part-2/
筆者はスウェーデン人の中国語教師で台湾に長く留学されていたようです。
要点をかいつまんで説明すると、中国語学習者2名にiphoneとandroidの音声入力を使わせて、非ネイティヴ学習者の音声をどれくらい正しく判定するか、つまり正しく発音しているのに正しく変換されない、あるいはその反対に間違った発音にもかかわらず正しく変換されてしまうということがどれくらい起こるかを測定したようです。単音、2音節語、文の3レベルで検証しています。
結果は単音では正しく発音しているのに誤変換されることが多く、文単位の発話では間違って発音しても正解の変換をしてくれることが多かった。一方、2音節語では正しく発音すればちゃんと変換され、間違って発音すると正しく変換されないことが多かったようです。
つまり、音声認識はたとえ入力が不正確であっても前後の脈絡から意図を察してくれるため(学習者にとっては有難迷惑なのですが…)文単位では判定が甘くなり、反対に単音では文脈の助けが得られないために、正しく認識するのが難しいようです。
ただ、その中間にある2音節語では正しい発音を正しい、間違った発音を間違っているとちゃんと判定してくれるのでこれは学習者のセルフチェックに使えそうです。幸い、中国語の単語の多くは2音節語です。
覚えた単語がちゃんと発音できているかどうかを知りたいときには、スマホに話しかけてみるのも一つの手ですね。